久生十蘭「復活祭」を読む
このところ、面白いミステリーに出会えず。
そんな中、ミステリーではないですが、
久生十蘭(ひさおじゅうらん)作、
(1902-1957)
短編「復活祭」という作品が、
ちょっと、印象に残ってます。
物語は、戦前から戦後にかけて、
祖母に育てられた、鶴代という娘が、
母の暮らすアメリカに渡ったが、
アメリカのの生活が好きになれず、
母の死を機に、日本に戻って、
ホテルで働いているという筋。
日本ででの舞台は、
本牧という地名や港が出てくるので、
たぶん、横浜付近だと思いますが?、
詳細は不明。
主な登場人物は、主人公「鶴代」と、
「川田淳平」という、元ギャンブラー?で、
サンフランシスコの日本人街で、
「割烹店」を営んでいた元店主。
それに、アメリカで手広く、商売をやっていた、
「小原東城」という謎の男の、3人だけ。
鶴代はアメリカにいた時から、
この小原東城に惹かれるというか、
或いは自分の父親ではないか、
思っていたことがあり、気になっていた。
その小原に日本で再会し。
エンディングでは、その正体が明かされる。
ただそれだけの話。
ミステリーではないから、
殺人も、事件も起こらない(^^)。
アメリカの日系人社会だから?、
日常会話に「ユー」「ミー」だとか、
「マザア」「ファザア」だとかの、
英語が混ざるのが面白く。
敗戦後の、たぶん昭和20代の、
アメリカンナイズされた、
雰囲気もよく出ていて。
戦前から戦後の”バタくさい”雰囲気が、
楽しめました。
ちなみに、作者の久生十蘭は、
「顎十郎捕物帳」の原作者。
捕物帳の作者って、
銭形平次の「野村胡堂」も、
半七捕物帳の「岡本綺堂」も、
実は、現代(当時の)ミステリーを、
多数、書いているんですよね。
「復活祭」他の作品は、
青空文庫でどなたでも読むことができます。
気になる方は、短編で短いので、
気楽に読めると思います。
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